薬剤師の年収は高いのか低いのか気になる年収は
薬剤師にはさまざまな働き方がありますが、どんな職場がどれくらいの年収を望めるのか、意外に知らないまま働いている有資格者が少なくありません。ここでは厚生労働省の資料などから理想の働き方について紹介します。
気になる年収と働き方を調べてみよう
厚生労働省の第22回医療経済実態調査の報告によると、一般病院の場合、平均給料は4449610円、賞与1137685円を合わせると年収は5587295円でした。これに対し調剤薬局は、平均給料が5021290円、賞与630914円を合わせると5652205円となります。
年収で見てしまうとたいした差はないのですが、その実態は賞与に大きく左右されているというのが実情です。この先賞与制度の持続が望めるのかどうか、もし不安に感じるようであれば、月々の給料が高い調剤薬局のほうが心理的に安定して働けるかもしれません。
このように、合計数時だけで見ても待遇の実態はわからないことが多いです。特に調剤薬局は全国に59613施設もあり、コンビニエンスストアより多いことは有名です。多岐に渡る働き方がある職種なので、自分が何を優先して働きたいかを考えることが重要でしょう。
もちろん、医療の最先端である病院や大きな一般診療所を求めることもひとつの選択です。
あらゆる職場で多様な働き方が望める職種
有資格者の半数が女性であることが特筆される職種ですが、女性は結婚や出産でライフステージが変わりやすいため、多様な働き方が望めることは大きなメリットです。介護職員のように極端に人手が足りていないというほどではありませんが、有効求人倍率を見ると、まだまだほかの職業と比べて職場を見つけやすい土壌と言えます。
特に選べる職業が多い分、求人のパイが大きくなるのは利点でしょう。先ほど紹介した調剤薬局のほかにも、一般のドラッグストアへの就職も考えられます。実は一般のドラッグストアのほうが給与面は優っており、需要も増えています。
ただしあくまで一般の店舗勤務となりますので、商品陳列やレジ打ち、来店客の対応や清掃などさまざまな仕事もしなければなりません。勤務時間も営業時間に紐づきますし、夜間や早朝にもシフトが組まれることもあるでしょう。
調剤に関することのみに集中したい場合や勤務が長くなることが困る場合には、収入とどちらを取るべきか悩むことになります。それでもやはり、ドラッグストアの平均年収600万円以上という水準は捨てがたいのも事実です。さらに企業差はあるものの、店舗運営に関わる役職に昇進すれば年収1000万円以上になる有資格者も珍しくありません。
チーム医療の現場で患者をささえる業務
ここまで年収を軸に働き方を見てきましたが、そうは言ってもやはり病院勤務は一番人気となっているのも事実です。しかも近年は病院での業務内容も大幅に変わり、本来のチーム医療の一端を担う重要な役割に昇華していることも、人気が高まっている理由でしょう。
かなり昔に病院勤務を経験したことのある人なら、院内薬局で処方箋調剤をするだけの業務というイメージがあるかもしれません。でも現在は業務が一転し、実際に治療に直接関わる存在に変わりました。
患者本人への服薬指導、薬歴の管理や副作用の確認など、薬の専門家として重要な任務をおこなう必要があります。これは2012年の診療報酬改定で新設された病棟薬剤業務実施加算により、全病棟に常勤の薬剤師の配置が条件となったことが関係しています。
収入と天秤にかけても、やはり先端医療に携わりたい、現場で患者さんを支えたいと希望する有資格者は少なくありません。職場選びはやりがい選びでもありますので、是非慎重に考えましょう。