薬剤師になるにはどうすればいいか
薬剤師は薬剤を取り扱う専門職であり、現在広く役割を求められている職種です。法律の定めにより医師の処方せんにもとづく調剤や服薬指導をおこないますが、さまざまな場所で求人があるため仕事内容もさまざまです。国家資格となりますが、どうすれば資格を取得できるのか、そのルートを解説します。
国家試験に合格するためのルートとは
国家資格ですので国家試験に合格する必要がありますが、国家試験の受験資格を得るためのルートは薬学部6年制大学を卒業することです。法改正があり、2006年4月1日の入学者から修業年限が4年から6年に延長されたため、基本的に国家試験を受けることができるのは6年制の修学者のみです。
ただ4年制を修学したのち専門の大学院で2年間学べば、同じく国家試験の受験資格を得ることができます。6年制は私立と国公立に分かれており、国公立大学のほうが費用が低いため入学希望者が非常に多く難易度も高い傾向にあります。
4年制は薬剤の研究や開発など人材育成を目的としており、卒業しただけでは国家試験の受験資格は得られません。(2017年度までの入学者を除く)。
国家試験の難易度や合格率はどれくらいか
国家試験の構成は必須問題90問と一般問題255問の計345問で、2020年の第105回国家試験では690点満点で計算されます。試験は2日間に分けて実施されますが、いずれもかなり長い時間の試験となり、体調管理や時間配分のコントロールなどが重要になってくるでしょう。
合格基準は、必須問題は全問題への配点の70%以上かつ各科目の得点がそれぞれ30%以上であるとされています。ただし評価方法も随時変更されるので、合格基準は都度確認が必要です。第105回国家試験では、690点満点中426点以上が合格基準となりました。
2020年の試験は2月22、23日に実施されましたが、その結果は受験者数14311人、合格者数9958人、合格率は69.6%でした。国家資格としてみれば、合格率70%近辺は高いと言えます。
職種としてのやりがいや将来性について
薬局や医療施設で働く資格者の年次推移では、毎年増加傾向にあります。日本では高齢者が増加し、厚生労働省も要介護者が自宅など住み慣れた場所で暮らせるよう、第3の医療である「在宅医療」を推進しています。薬剤師が訪問看護に同行し、薬剤管理指導をおこなう場面も今後増えるでしょう。
医学の進歩はすさまじく、生涯薬の勉強を続けなければならない仕事ですが、それだけに日々研鑽し、人の命を救うやりがいある仕事と言えます。