コンビニエンスストアが新たな役割を担う時代
コンビニエンスストアが薬局としての役割を担う新たなフェーズに突入しつつあります。そうした状況の中で、薬剤師はどのように活躍を見せるのでしょうか。規制改革がもたらす業界の将来の展望について解説することにします。
常駐の要件が緩和されるのではないかとの見通し
現在の法律では、ドラッグストアや薬局は必ず一人は薬の専門知識を有する有資格者を常駐させなければならないという決まりがあります。その決まりに従って、専門家を常駐させているのですが、コンビニエンスストアが薬局としての役割を担う新たなフェーズに入っている昨今、こうした規制は後に変わってくるのではないかということが予想されています。
全国に数え切れないほどあるコンビニエンスストア一つ一つに有資格者を常駐させるとなると、人件費がかかりすぎてしまいます。薬局やドラッグストアではそのコストをカバーできるだけの収益が見込めますが、コンビニエンスストアだけとなると難しいです。
そのため、規制改革が行われることが予想されているのです。
ネットを通じた薬の指導が主流になる
そうした規制改革の一環として考えられるのは、ネットを通じた服薬指導です。現在、薬局やドラッグストアでは、対面式で患者に対して薬の服用の仕方や注意点、それに、薬の禁忌などの説明が行われています。しかし、今後コンビニエンスストアで薬の処方が行われるようになると、利用者の手軽さを考えた場合、対面式が必ずしも有効ではないということがあります。
そうなると、インターネットを活用した薬の処方が広く行われることが予想されます。コンビニエンスストアで薬を受け取りたいという人の場合、必ずしも対面での服薬指導を必要としません。
薬は届けてもらえる時代になるでしょう
さらに、コンビニエンスストアを活用することができるようになれば、薬は貰いに行くのではなく、届けてもらうという時代が到来することが容易に考えられます。実際、都市部では宅配サービスを利用した薬の配達が試験的に行われています。
これは都市部に限定したことではなく、地方でも有効に活用することができます。高齢者の中には、薬を自分で取りに行くよりも、手数料を支払っても届けてもらいたいと考える人が多いです。
そのような場合に宅配サービスを利用し、自宅でスマートフォンからアクセスし、薬剤師から服薬指導を受けるサービスが好まれます。