患者さんへの健康に大きく貢献します
薬剤師の中でも特に働く人の多い職場が調剤薬局です。患者さんに薬を渡すいわば代表的な職場となります。病院やドラッグストアに勤めている人が調剤薬局で働くことも可能です。しかし、どのような仕事なのか分からない人もいるでしょう。
仕事は処方箋による調剤だけではありません
一番基本的な仕事が、医師の処方箋をもとに薬を調剤する調剤業務です。処方箋に従うのはもちろんのこと、薬の安全性もしっかり確認し「処方鑑査」も行います。患者さんが重複投与や何らかの作用が疑われる場合は医師に問い合わせます。
疑義照会や処方提案も行うでしょう。処方された薬を患者さんに渡して服薬指導も行います。ただ一方的に説明するだけでなく、患者さんが疑問にしていることも聞き出します。不安を覚えているなら適切なアドバイスを行う必要があります。
対人業務でもあるので、専門知識を持つ薬剤師は重要な役割を担っています。また、患者さんに薬を提供するためにも薬剤服用歴管理簿(薬歴)を作成します。服薬状況や副作用歴などを聞き取り、薬歴を薬局側で管理します。記入するだけでなく、他の方が見ても分かりやすくまとめる必要性があります。「薬剤服用歴管理指導料」にも関連してくるので、正確性が求められるでしょう。
患者さんの自宅を直接訪問します
現在、人口の高齢化により病院ではなく自宅で療養をしたいと考える患者さんも増えています。在宅業務がある調剤薬局では自宅を訪問して服薬指導や薬の管理などを行います。最近では地域医療に力を入れる所も多く、より地域に根差した業務を行うことが求められています。
在宅業務は今後ますます注目されるでしょう。
調剤薬局の勤務形態や年収などの特徴
調剤薬局に勤める場合、勤務地にもよりますが平均年収は587万円となっています。年収水準はドラッグストアや病院と比較して中程度になります。勤務年数や役職でも変わりますが、薬局の経営元や地域でも年収は変わってきます。
人材不足の地方では、ドラッグストアを上回る高い年収水準となるケースもあります。調剤薬局の勤務時間は周辺の医療機関の診療時間によります。全国の薬局で一律ではないのであらかじめ確認しておきましょう。
一般的に9~18時前後が勤務時間となります。土日のどちらかを診療日とする医療機関が多いので、定休日は平日も含まれます。また、風邪がはやりやすい時期は患者さんも増えるので残業が発生するかもしれません。ただし、ドラッグストアのような深夜まで営業することはありません。病院のような夜勤もなく、勤務時間は一定しています。また、雇用形態も正社員・パート・アルバイトと選択が豊富なため、ライフスタイルにあわせて柔軟に働けます。育児などとの両立を目指す人にとって、働きやすい職場となるでしょう。