国家試験を目指す薬学部入学の難易度は

薬剤師になるためには、大学の薬学部、薬科大学に進学し、6年間勉強した後に、国家試験の受験資格を得ることが必要です。また、大学によっては編入制度や社会人入試制度を行っているところもあります。ここでは、どんなルートがあり、どれくらいの偏差値が必要か等を紹介しています。
薬学部に入ればなれるというわけではない
医療の高度化や医療分業が進んだことにより、高い能力を求められるようになったため薬剤師を養成する過程は医学部同様に6年制に改められています。6年制のカリキュラムでは薬というモノについて学ぶだけでなく、薬を通して人の健康を守るための知識や実践力も身につけられるよう、長期の実務実習も行われているのが通常です。薬学部の中には4年制の学科も存在しますが、これでは国家試験の受験資格を得ることはできません。医療の現場における専門家となるのであれば、6年制で学び国家試験を受け合格することが必須です。一方、4年制の場合は、薬学の知識をいかして様々な現場で働くことは可能です。しかし、大学院に進んで2年学び国家試験を受けるというパターンがほとんどになります。
倍率が高く医学部レベルの薬学部も
6年制と4年制、どちらを選択したとしても、薬学部は全体的に偏差値が高めです。特に人気のある大学では、医学部と同じくらい偏差値が高いところもあり、入学試験には高い学力が求められます。資格をとれる学部として、薬学部の人気は年々高まっており、中には入学試験の倍率が20から30倍というところもあるほどです。そのため、中学や高校では理系の科目は、すべてしっかりと習得しておく必要があります。入学試験の内容は、大学によってさまざまです。国公立の一般入試は1次試験がセンター試験、2次試験が個別試験となっていて、受験科目が多いのが特徴になります。私立大学では化学と英語だけなど少ない科目数で受験できるケースや、面接を取り入れているところもあります。
入学後に振り分けられることもある
薬学部を持つ大学は、日本全国におよそ73校あり、そのうち国立大学は17校、この中でも6年制過程と4年制過程の両方があります。私立大学は教育課程が6年制に移行する前後に数多く新設されました。私立の薬学部はほとんどが6年制のみで、4年制過程のある大学はほとんどないです。両方を備える大学の中には、入試の際は、薬学部としてまとめて募集し、入学後に振り分けるという方法をとっているところもあります。この場合、学生は3年次あるいは4年次進級の際に、6年制か4年制の選択をしますが、成績などによって選抜されケースもあり希望通りにならないこともあるので注意が必要です。そのため、入学時だけでなく高い学力が常に求められることになります。