海外で取得した免許は国内で使えるか
グローバル化が進む世界の中で、国家資格のグローバル化が望まれてきました。しかし国家資格の言葉から分かるように、一般に、特定の国家で取得した資格は、当該国家内だけで有効なのが普通です。ここでは、欧米での薬剤師と日本国内のそれとの比較を、日本人の海外での資格取得、両者の社会的地位の違いなどの観点から見てみたいと思います。
欧米の薬学部卒業資格は国内の受験資格となるか
まず、海外で取得した薬剤師の免許を日本で使うことは、一般的にはできません。日本で働くには、日本の国家試験に合格する必要があります。しかし海外の薬学校を卒業した方は、受験資格認定を受けることができます。
そのためには以下の条件を満たす必要があります。まず、国内と同様に、6年制以上の薬学部を卒業していることが必要となります。それに加えて、外国語力の証明が必要になります。英語圏の国では、IELTSやTOEFLなどの英語力試験を受けて合格する必要があります。
と同時に、日本語能力試験を受けて、N1レベル以上に合格する必要があります。以上3点の条件をクリアすれば、日本国内で国家試験を受験することが可能です。
欧米で日本人が免許を取得ための語学能力と学歴
日本人が海外で免許を取得する方法は、国によって異なります。一般的には、当該国家で使われている外国語力の有無及び学歴が条件となっています。まず外国語力の証明が必要となります。
英語圏の国では、IELTSやTOEFLなどの英語力試験を受けて合格する必要があります。それに加え、学歴の評価がいります。日本の薬学部を卒業している場合は、海外の薬学部と同等かどうかを評価する機関に申請して認定を受ける必要があります。
国内で取得した免許は海外で有効か
日本国内の免許を海外でそのまま使うことは、一般には認められていません。もっとも、薬学部卒業し、かつ、国内で国家資格を取得したことで、薬学の知識は十分にあると認定できるために、再度海外での薬学部卒業資格までは取得する必要はありません。
すなわち、以下の条件さえクリアすれば海外でも働くことができます。日本の免許を持っている場合は、海外で働くために必要な知識や技能を学ぶコースに参加する必要があります。
このコースは1年程度かかります。そして、免許変換コースを修了した後は、海外で実際に働く経験を積むためにインターンシップに参加する必要があります。このインターンシップは1年程度かかります。インターンシップを修了してはじめて、海外で働くために必要な資格である国家試験に挑戦することができます。この試験は筆記試験だけでなく、口頭試験もあります。