薬を渡すだけじゃない活躍の場が広がる薬剤師の仕事
薬剤師の仕事は、医師から渡された情報をもとに患者に対して薬を渡すのが仕事です。薬は病気やけがを治すのに欠かせないアイテムですが、使い方を誤ると体にとって何らかの悪影響が出るリスクを伴います。薬の悪影響は最悪の場合日常生活に大きく支障をきたすため、使用する側に注意喚起をして安全に使ってもらえるようにするのが仕事です。これまでは薬を渡すのが仕事ですが、近年ではその役割をいろいろな方面で活躍する場が広がっています。
過疎地に薬を運搬する役割で命を救う
薬局で薬を渡すことのほかに、新しい役割の一つになったのが過疎地に赴くという仕事です。薬局で渡すのが仕事でしたが、現代医療は日本が抱える社会問題の少子高齢化の影響を受け始めています。
これまで田舎町にも医師がいましたが、人口減少による人材不足によって医院を占める数が増加傾向にあります。医院が廃業してしまうと病気やけがをした時に適切な対処ができないだけでなく、一番困るのがいままで使っていた薬がもらえなくなることです。
例えば糖尿病を患ってしまった場合において、血糖値をコントロールをするインスリンを注射しないと意識障害を起こしてしまうため適切な量の薬を所持していないといけないです。しかし委員が廃業してしまうと、そういった薬をもらえなくなってしまいます。
そこで病院側が村役場に問い合わせて、持ってきてほしい薬を車に詰めて過疎地に持っていくという役割を始めています。その車に同乗することで、患者に対してこれまで通りに安全に薬を渡すことができます。
災害支援として派遣される役割もある
病院勤務である程度の経験を積んでからになりますが、新しい役割として災害支援として派遣される役割があります。大規模災害が起きると、道路の寸断や建物の倒壊などが起きてしまいこれまで通りの医療を行うことが難しくなります。
この場合も特に困るのが、これまで通りに患者に対して最適な薬を渡すことが難しくなることです。そこで災害場所でもこれまで通りに薬を渡せるように、災害が起きた時には特務チームの人員として派遣されます。派遣されたときには、病気やけがの状態によって最適な薬を渡すだけでなく、足りない時にはすぐに別の病院に連絡を入れて薬を調達するために行動をします。
新しい取り組みとして学校教育にも役立っている
2000年代に入ってからの新しい取り組みとして始まったのが、学校教育の場に派遣されることで教育の一環として活躍することです。この仕事に就くためには専門学校を6年かけて勉強と卒業試験を受ける必要がありますが、そのカリキュラムの中には麻薬などの禁止薬物に関する知識も学ぶ必要があります。
近年においてインターネットの普及により、違法薬物を利用する年齢層が若年層化していることが分かっています。禁止薬物は好奇心で摂取することが理由ですが、一度でも服用してしまうと二度と元の状態には戻らないです。
そういった禁止薬物の危険性を、薬剤師の知識をもとに小学生から高校生までわかりやすく伝えるのが新しい役割になっています。