服薬指導が苦手なケースの対処法
人とコミュニケーションを取るのが苦手で、できれば一人で仕事をしたい、働いている方の中にはそう思っている方も少なくありません。それは薬剤師でも言えることですが、患者を相手に服薬指導をしなければならない場合はどうすれば良いのでしょうか。
調剤業務は苦痛ではないかもしれない
どこかの企業で働くことになると、誰でも一人で業務を行うのではなく、同僚や社内の先輩、後輩と共に働くことが一般的です。ですが、薬剤師の業務の一つである調剤業務などは、処方箋に書かれた薬を個人個人が間違えないように選別して調剤、あるいはピッキング作業を行うことになります。
この作業は黙々と行われるもので、規模の大きな病院などでは患者数の多さから滞りなく作業を効率よく行うことが求められます。集中して業務にあたるため、場合によっては他の従業員との会話がままならない、あるいは勤務中のおしゃべりを注意されるケースもありますが、一人で淡々と業務に携わりたいと考えている方にとっては逆に働きやすい環境と言えます。
経験がコミュニケーション能力を培う
ですが、薬剤師は調剤業務と共に患者に薬の飲み方などを教える服薬指導という業務を行う必要があります。これは、患者一人一人と向き合い、きちんと正しく薬を飲んでもらえるように指導する重要な業務で、医療従事者としてもないがしろにしてはいけないものです。
それでも中には患者と話をすることが苦手、という方は存在します。ですが、苦手ながらも患者のことを思って接していくと、徐々に相手の気持ちを汲み取ることができるようになります。要は、経験を積み重ねることが最善の方法ですが、患者の苦痛や悩みを取り除くお手伝いができるとう、やりがいのある業務であり職業です。
何度対面してもやはり苦手、という患者もいるかもしれませんが、その分コミュニケーション能力は着実に磨かれていきます。
服薬指導は患者との大切な対話の場
服薬指導のポイントとしてはまず、患者に対して一方的に薬の説明を行わない、相手の反応を逃さずキャッチする、ということが挙げられます。患者は薬に関しての知識がありませんので、専門用語を使われたり覚えるまでに次の項目を指導さたりすると困惑してしまいます。
服薬指導は患者との対話で成り立つものですので、相手が納得してから次の話に進む、などの配慮を忘れないようにしましょう。また、その対話の中で気付いたことは、差支えがなえければ患者に聞いてみることも大切です。
また、患者は皆一律ではなく様々ですので、ゆっくりと時間をかけて説明をすることを求めている方もいれば、急いでいるので要点だけを教えてほしい、という方もいます。そのため、相手の状況に合わせた臨機応変な対応力も身に付けるとスムーズに服薬指導をすることができるでしょう。