研究を通して世に製品を送り出す仕事
薬剤師の資格を取得したものの、個人としてはもっと薬の研究をしたい、そんな思いを抱いている方は少なくありません。資格を活かして研究をする方法には製薬会社に就職する、という方法がありますが、他にも研究職として開かれている企業が存在するのを知っているでしょうか。
人の肌に直接作用する製品の研究
薬に関する研究を行う、と聞くと製薬会社を思い浮かべる方も多いですが、研究は化粧品メーカーでも行われます。化粧品メーカーでは、新しい製品の成分や安全性などを調べて実験、検査や開発を行い、新製品を世に送り出すことが主な業務です。
化粧品と言っても人の肌に触れるもののため、薬と同じく人体への影響は何よりも懸念されます。また、安全な成分から作られたとしても、副反応の有無やアレルギー、敏感肌の方の使用状況など様々な観点から注意を払う必要がありますので、薬を学びに学び抜いた方の知識や力が求められるのです。
事務作業や消費者への対応も業務の一つ
化粧品メーカーの業務は他にも薬事申請に関わったり、書類を制作したりと事務作業や管理業務なども行うことがあります。また、実際に販売にすることとなると、開発した新製品の説明や情報などを営業先で伝えることも化粧品メーカーで働く薬剤師の仕事です。
さらに、消費者からクレームや質問などがあれば対応することになりますし、自社のサイトに掲載する際には薬機法に基づいた記事になっているかの確認作業も行います。このように、化粧品メーカーでの仕事は研究だけではなく色々な業務をこなすこととなりますが、自分が得た知識を最大に活用することができるため、やりがいのある職場となるでしょう。
メイクやコスメが好きな人にも向いている
そして、化粧品メーカーは病院ではないので服装やメイクに関してはあまり厳しくなく、比較的自由なファッションを楽しむことができます。そのため、香水などは研究職としては当然NGですが、メイクやファッションを職場でも楽しみたい方にも向いています。
また、化粧品を自分達の手で作ることになりますのでやりがいもあり、流行を意識した製品の開発なども行われますので、コスメが好きな方にも向いている職業です。さらに、最新の化粧品に触れることも可能で、営業や消費者への対応では接客業の意味合いも持つ業務となるため、病院勤務や薬局勤務などでは得られない経験を積むことができます。
なお、化粧品メーカーの求人はあまり多くはなく、募集をしていても新卒に限られているケースもありますので注意をしましょう。