薬局業界におけるM&Aを考える
薬局業界を取り巻く環境は日々変化していて、近年では大手チェーンの拡大などの傾向があります。規模の経済を獲得するためには市場におけるシェア拡大が必要となります。このために必要なプロセスがM&Aです。複数の薬局を大手チェーンがM&Aにより買収すると、新たな地域での市場シェアが獲得されます。M&Aを行う目的はさまざまで、オンラインでの医薬品販売を強化する目的で行われることもあります。そのためにオンライン販売に強い企業を買収することなどが行われます。
地域ごとの特徴を掴むことを考える
薬局がM&Aで市場シェアを伸ばすことを目的とする際には、地域の特徴を知る必要があります。地域によって取り扱う薬品は大きく異なることがあり、どの地域の薬局をM&Aするかで、その後の経営状況は異なってきます。
医薬品にはそれぞれの特徴があり、風薬や胃腸薬などは一般医薬品となり、多くの人が一般医薬品を利用します。慢性疾患に対応するための薬品として、高血圧用や糖尿病用などがあります。こうした薬は一時的ではなく、継続的に使用します。
慢性疾患に対応するための薬品を多く取り扱う薬局では、在庫管理がより重要になり、服薬指導を的確に行う必要性が高いです。M&Aでどのような薬局を買収するかで、その後の経営方針は異なってきます。
専門的な薬品を多く取り扱う時は
薬局によっては専門的な薬品の取り扱い数が多いこともあります。こうした薬局には専門的な知識を持つ薬剤師が必要となります。特定の疾患に対応する特殊や薬品などがこうした専門的な薬品となります。
調剤薬局に設置する商品として健康食品などもあります。漢方やサプリなどを取り扱う調剤薬局ではこうした商品の仕入れを考える必要もあります。ドラッグストアなどは化粧品や日用品を多く取り扱っています。どのような薬局をM&Aするかで、取り扱う商品と必要な仕入れプロセスは異なります。
M&Aを成功させるには、その後の経営について十分に想定する必要があります。
M&Aによる効果を整理することを
薬剤師のキャリア形成の中でM&Aに関わることもあります。経営者としてM&Aを行うこともありますし、薬局に勤務している時に関わることもあり、その状況はさまざまです。
どのような状況で関わっても経営者目線を持つことは大切です。M&Aには高い効果が期待でき、経済規模が大きくなったり、顧客基盤の拡大することを想定できます。規模が大きくなることで、ブランド価値の向上も期待できます。