自宅で治療をする人のための退院前の指導
病院に入院している患者が退院後に家の中で治療を受ける場合には、退院をする前に病院の薬剤師が医薬品の服用に関して必要な指導をすることもできます。ここでは、自宅で治療をする人のためにおこなう指導について解説します。
患者が退院する前におこなう服薬の指導
病院に入院していた患者に対し薬剤師が退院する前に服薬の指導をする必要があるのは、自宅に帰ると服薬が正しくできなくなることがあるからです。病院では毎日しっかりと薬を飲んでいた人が、退院をすると薬を全く飲まなくなってしまうこともあるので、薬を服用することの重要性を退院する前にしっかりと説明する必要があります。
退院した人が家でも正しく薬を服用し続けるためには、薬の管理を自分でできるようにすることが不可欠です。薬の管理が自分でできなくなると、医薬品を飲むことに関心がなくなってしまうこともあります。退院後も薬を自分で管理できるようにするためには、患者が病院に入院した頃から、適切な服薬の指導をするのが理想的です。
退院したら患者が自分で医薬品を管理することを想定しながら、医薬品を服用するための指導や手助けをするのが、この仕事をしている人の役割です。
自宅での治療をおこなう医師との協力
退院した後に自宅で治療を受ける患者が安全に治療を受けられるようにするためには、病院の薬剤師と自宅での治療を担当する医療関係者が協力することが必要です。これらの人が協力してしなければいけないのは、患者に関する情報の共有です。
患者が病院で服用していた医薬品に関する情報を一番知っているのは病院の薬剤担当者であるために、患者が自宅で治療するために必要な薬剤の情報を一通り治療を担当する医師などに教えておくことが必要です。
医師の処方のための調剤した医薬品の情報
病院で働く薬剤の専門家が自宅での治療をおこなう医師などに教えておかなければいけないのは、調剤に使用した薬剤の種類です。同じ種類の症状を治療するために使用されている薬剤であっても、薬剤の種類が異なると患者が服薬しにくくなることもあります。
患者が医薬品を自宅でも服用し続けるためには、できるだけ服薬しやすい医薬品を選んだ方が良いので、病院で使用していた医薬品とは服薬する方法が違うものに変えることは好ましくありません。自宅での治療を担当している医師と必要な情報を共有することにより、医師も患者にとって適切な医薬品を処方することができます。