医薬分業でおこなわれている医療サービス
日本では医師と薬剤師の仕事の内容は明確に区別されています。このような方法で医療サービスを提供しているのは、サービスを利用する患者にとって多くのメリットがあるからです。この記事では、こうした医薬分業のメリットについて解説します。
調剤と処方を医者がおこなっていた江戸時代
薬剤師と医師が別々の仕事を担当することは、昔からおこなわれていたわけではありませんでした。江戸時代の日本には調剤を専門にする職業がなかったので、患者を診察する医師が薬の調剤もおこなっていました。
このような方法で薬を調剤することは、江戸時代が終わるまでずっと続けられていましたが、国の政体が変化すると処方と調剤を別々にした方が良い考えが日本にもようやく広まります。このような考え方が日本でも重視されるようになったのは外国の影響です。
当時の欧米諸国では日本よりも医療が大きく進歩していたので、処方と調剤を別々の人が担当する方法が一般的になっていました。欧米諸国から最新の医療を導入することを目標にしていた当時の日本では、欧米の医療先進国から医師を招いて改革のための助言を受けていて、こうした医師も調剤と処方を別々におこなうことを日本政府に助言していました。
複数の病院に通う人が安全に薬を服用できる方法
明治時代になってからしばらくすると、処方と調剤を別の職業の人がおこなうことが法律で決められました。日本で初めて薬剤師が誕生したのはこの時のことです。こうした方法で薬を調剤することになったのは、患者が安全に薬を服用するために必要なことだからです。
複数の病院に患者が通院している場合にも、処方と調剤を別の人が担当することはメリットがあります。通っている病院が複数あるとそれぞれの病院で薬が処方されることもありますが、医師がそのことを知らないと副作用などが発症することもあります。
ですが、専門家が医師とは別に調剤をおこなうことにより、複数の病院で薬を処方された患者に対しても、安全に調剤ができます。
患者が服用している薬どうしの相性
複数の病院から薬を処方されている患者に調剤をする時に注意をしなければいけないことは、それぞれの薬の相性です。薬によっては相性が非常に悪いものもあり、一緒に服用すると患者の健康に悪い影響が出ることもあります。
処方と調剤を別々の人が担当している現代の社会では、このようなリスクも正確に発見することができます。