投薬が困難な患者さんのためにできること
薬を必要としている患者さんが、もしもそれを飲むことができない状態だったら、周囲の人はいったいどうすればいいのでしょうか。高齢化が劇的に進んでいるこの日本では、そういうお年寄りもかなり多いです。このようなときは、家族の方がちゃんと薬を飲むように確認すればいいのですが、それができなければ医師や看護師などのプロの人に相談することが必要です。
薬の服用にはいつでも危険がともなう
正しく薬を服用することができない高齢者は、その多くは病院や施設にいます。病院では医師なり看護師なりが患者さんを注意して見てくれていますので、薬の誤飲や飲み忘れなどの心配も少ないです。ただ施設となると医師や看護師に代わって介護師などが高齢者を見ることになります。
介護師は医療に関しては専門外になりますので、大概が掛かり付けの医師や看護師の説明を受けてサポートすることになるわけです。そうすると高齢者に対して正しい薬の服用がどうしてもできない場合もあります。
一人では薬を飲めないとか、誤った服用をしてしまうとか、そういう危険もまったくないとは限りません。ここで医薬品に詳しい専門家が必要になります。
在宅医療はこれからはさらに必要になる
医師が処方した薬は正しく服用しなければ意味がありません。また、誤った服用ではかえって体に害を及ぼしてしまう恐れもあります。病院や施設でのことならまだ安心ですが、これが自宅なら危険度はかなり高くなってしまうことでしょう。
自宅では家族の誰かが薬の管理をすることになります。当然、服用に関しての説明は受けているわけですが、一般人では分からないことも多々あることでしょう。ここで重要視されてきたのが在宅医療というシステムです。
在宅医療は医師や看護師、それから薬剤師などがチームワークを組んで、病院に通えない患者さんの自宅まで出向いて診察をするというものになります。
地域に密接した薬の専門家の必要性
在宅医療での薬剤師の役割はかなり大きいです。患者さんが正しく薬を服用できないとき、適切な方法を考えてそれを実行します。薬を飲むのを嫌がる患者さんなら、その患者さんの立場になって、どうして服用できないのか、またどうすれば服用できるようになるのか、そういう細かいことまで考えなければなりません。
そして、患者さんが薬を正しく服用するまで確認します。これが服薬支援です。こう考えると、確かに在宅医療は重要ですが、地域に密接した薬の専門家というものもこれからは必要になるのではないでしょうか。そういう意味では、薬剤師は患者さんの苦しみや気持ちを理解することが大切です。
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