調剤を求められた時の判断の基準
薬剤師が患者から調剤を求められた場合には、基本的に調剤に応じなければいけない義務があります。この義務は法律にも規定されているので、患者から調剤を求められたのに調剤をしなかった場合には、法律に違反することもあります。ですが、どのような場合でもこの仕事をしている人は調剤をしなければいけないわけではなく、特定の条件に当てはまる場合には、患者から調剤を求められてもそれに応じる義務はありません。このような場合には調剤をしなくても法律には違反しません。ここでは、この仕事をしている人が調剤に応じるべきかどうかの判断の基準について解説します。
仕事をするうえで守らなければいけない応召義務
薬剤師が患者から調剤を求められた時にこれに応じなければいけない義務のことを応召義務と言います。ですが、調剤をしないことに対する正当な理由がある場合には、この仕事をしている人に応召義務は課せられません。
この場合には患者から調剤を求められても、調剤を断ることができます。正当な理由があるかどうかを判断するのはこの仕事をしている人なので、適切な判断ができるように努力をすることが求められています。この仕事をしている人が調剤をするかどうかの判断をする時の判断材料にできるのは、科学的な知識です。
こうした知識に基づいて調剤の可否を正しく判断するためには、薬に関する豊富な知識が必要になります。
判断する時に考慮すべき医学的な合理性
薬剤師が調剤の可否を正しく判断するためには、医学的な合理性に基づいて判断することも必要です。医師が処方をした医薬品であっても、自らの考えで医学的な合理性がないと判断できる場合には、調剤を断ることができます。
このような基準によって調剤の可否を判断するためには、薬剤以外の知識も多く必要になります。医学的な合理性を判断するためには医療の知識が必要になることもあり、より多くの医療知識を知っている人の方が合理性の判断がしやすくなります。
社会通念も重視しなければいけない調剤の判断
医薬品の知識や医学的な合理性だけでは調剤をすべきかどうか判断が難しい場合には、社会的な通念を考慮して調剤の可否を判断することもできます。このような方法で調剤の判断を正しくおこなうためには、社会通念に対する知識も必要です。
社会通念を学ぶためには多くの仕事をすることも必要となるため、経験の浅い人の場合には判断が難しいこともあります。