薬の世界で活躍する女性が多い理由と実情
働く女性の割合は増加傾向にありますが、中でも人気なのはMRやWebデザイナー、広報やコンサルタントです。この中で気になるのが1位のMRになりますが、これは医療情報担当者のことでして、医療関係者に医薬品の情報を提供する仕事になります。このMRに似ているのが薬剤師ですが、前者が製薬会社と医療機関の橋渡し的な存在なのに対し、後者は医師から患者への治療の一環を担う重要な役割となっています。実はこの職業の男女比率が4:6で女性の方が多く、人気職業ランキングでも上位に入っています。日本の医療従事者は女性が多い業種ですが、その理由や実情や待遇について解説していきます。
離職後の復帰と規則正しい生活が魅力
まず、女性が薬剤師を希望する理由についてですが、一番大きいのは離職後に復帰しやすいことです。出産や育児で仕事を辞めると復帰しづらく、望まない別の仕事に就かざるを得ないのが実情ですが、難易度の高い国家試験に合格しているので、ブランクがあっても意欲さえあれば歓迎されます。
主な再就職先として挙げられるのが、調剤薬局やドラッグストア、病院になりますが、同じ職場に復帰するのも難しくありません。また、勤務時間や場所が決まっているのも健康面で大きなアドバンテージになります。医療従事者というと夜間業務もあって、とにかく生活が不規則になりがちですが、この点はかなり恵まれていると言って良さそうです。
安定した日常生活をおくれるということは、自分の家庭や家族の幸せにも良い影響を与えるので、女性が好む職業というのも納得です。
目指すべき大学と学びやすい環境
男女にかかわらず国家試験に挑むためには、6年制の薬学部で学ぶ必要があります。大学はどこでも構いませんが、可能であれば学費の安い国公立大学が望ましいです。私立であれば合格率が高くて学費の安いところが良いでしょう。
偏差値だけで決めるとこれらを蔑ろにしてしまいがちなので、注意が必要です。また、先述のとおり女性の就職率が高いため、薬学部も女性の割合は多いです。明るく優しい環境でじっくり学ぶことができますし、みんな一丸となって国家試験合格という夢に向かって頑張っています。
人気の職業と気になる年収について
国家試験に合格したら、いよいよ就職先を決めることになります。一番人気は薬局でして、次いで病院や診療所になりますが、中には就職せずに大学院へ進学する方もいます。女性薬剤師の平均年収は24歳で約35万円になり、29歳までで約460万円、34歳までで約500万円と年々上がっていきます。
他の職業と比べて非常に高水準であることが分かりますが、出産や育児で多少鈍化する傾向にあるものの、離職後の復帰も比較的容易ですし、生涯安定した収入を得られる職業であることは間違いありません。