デジタルツールの進化で仕事内容が変わっている
薬剤師の仕事はこれまで医薬品に対する高度な専門知識と、業務の慎重さ、丁寧さが求められてきました。もちろんその要素も必要不可欠ではありますが、テクノロジーの進化によってその仕事に大きな変化が加わってきました。電子処方箋や人工知能による診断サポート、専用アプリの登場によって、業務内容は大きく変化を遂げてきました。ここでは今まで登場したデジタルツールの紹介と、そのツールがどのような変化を起こしたのか解説していきます。
電子処方箋の導入ともたらすメリットとは
医療機関で導入されてきたデジタルツールの代表格として知られているのが、電子処方箋です。電子処方箋は、紙の処方箋に代わって登場したデジタルツールの一つです。処方箋のデジタル化によって難しく手間のかかった処方箋の取り扱いがずっと楽になり、業務が効率化されました。
紙の処方箋は手書きなどの場合だと誤字や読み間違いなどのトラブルが起こりやすく、医療事故に繋がる可能性もゼロではありません。また書類の管理を怠ると、紛失のリスクがありました。ですがデジタル処方箋ならパソコン一つで管理をすることができ、読みやすいフォントで内容が書かれています。
読み間違いや誤字が起こりにくく、正しく情報の共有ができます。またデジタル処方箋は医師が書いた処方内容を直接送ることもできるため、内容をすぐに確認できます。必要な情報をすぐに確認することができ、薬局などで患者さんを待たせることも少なくなるのです。電子システムの情報はいつでも見ることができ、処方指導を刷るときには薬の飲み合わせやアレルギー情報をすぐに確認できるため、安全性のアップにも成功しました。
人工知能の登場で業務内容が変わることも
業務の手助けとして導入されるケースもあるのが、人工知能です。人工知能を駆使することで大量の医療データを分析できるようになり、人とは違った目線から役立つ情報やアドバイスを送れるようになりました。
与えられた情報を参考に自分の知識や経験も活かして、より正確な判断ができるようになったのです。人工知能は患者さんの病名や症状を分析しながら、最適だと思われる薬の提案をします。さらに薬剤の副作用や他の薬との飲み合わせも考慮しながらアドバイスをしてくれるので、リスクを減らすための適切な薬剤選びが可能となりました。
人工知能の導入によって選択肢の幅が広がり、患者さんにより良い医療を提供することができるようになりました。
アプリの導入で負担が大幅に軽減
薬剤師向けのアプリの登場も、業務のサポートに役立っています。さまざまな業務を抱えるスタッフの負担を減らすために、専用アプリが導入させるケースも珍しくありません。アプリの機能には処方管理や在庫管理、患者さんの服薬記録などの機能が備わっています。
在庫管理アプリでは、薬の在庫量や使用状況をリアルタイムで確認することができ、必要なタイミングで発注ができるように手助けしてくれます。薬剤の不足や過剰な在庫を防ぐことができ、業務の負担が大幅にカットされるのです。
服薬記録アプリでは患者さんの服薬状況をチェックすることが可能なので、服薬指導やフォローアップを効率的におこなえるようになります。これらのアプリを活用することで業務の効率化に成功し、より多くの時間を患者さんに対するケアに使うことができるのです。