業界によって違う良好な人間関係に必要な資質
良好な人間関係は、快適に仕事を続けていくために不可欠な要素の一つです。しかし、人間関係は給与条件や福利厚生のように、言葉や数値で示すことはできません。実際に働いてみないと分からない面もありますが、業界による特徴もあります。就職先の選択肢の多い薬剤師は、自分に合った人間関係を特徴とする業界を選ぶことで、良好な人間関係の中で仕事ができる可能性が高くなります。
共有するものが多い方が付き合いやすいなら調剤薬局
調剤薬局は、同じ薬剤師という立場の人と毎日仕事をする業界です。一緒に仕事をする人のほとんどが、知識や資格が共通している人たちです。更に、独立完結型ではなく、連携して仕事をします。
自ずと人間関係は濃密になり、衝突した際の亀裂は深いものになる傾向があります。一方で、共有するものが多いので、感覚や考え方は似ています。全く別の業種の人と比べれば大きな差が出るところです。価値観の近い人との付き合いの方が楽だという人なら、快適な人間関係を築くのは難しくないでしょう。
病院なら分野の違う専門家と適度な距離で付き合える
病院勤務も調剤薬局と同様に、専門家と連携して仕事をすることになりますが、連携する相手の専門分野が異なるという点で違いがあります。具体的には、医師や看護師をはじめとする医療の専門家たちです。その人たちと一つのチームを組んで仕事をすることが多いです。
良好な人間関係を築くには、明確な意思表示や相手を理解する力が求められます。一方で、各分野の専門家としてお互いを尊重する関係になるので、縦や横の関係に苦しむことは少ないです。
プロとして緊張感のある仕事を、他の分野のプロと連携してすることに興味がある人なら、良好な人間関係を築くのに苦労はないでしょう。
立場が違う人の方が楽という人にはドラッグストア
ドラッグストアは、病院と同じで薬剤師以外の人との交流が多い業界です。更に、病院のように医療関係者に限定されていません。知識や資格が共通していないだけでなく、雇用形態も多様です。文系出身者もいますし、学生アルバイトもいます。
薬学の知識のない人も多く、薬学の話が共通の話題になるとは限りません。幅広くコミュニケーションをとれるスキルが求められる環境です。一方で、職場での人間関係を仕事内容でつくるよりも、趣味や世間話でつくっていきたい人には向いていると言える業界です。