需要に対しての人材は今後どうなっていくのか
医療で欠かせないお仕事といえば薬剤師です。高齢化社会やセルフメディケーションによりニーズの増加が見込めています。一方で薬学大学が全国増えているので資格取得者も増加しています。人材が将来過剰になるか不足になるのか見ていきましょう。
人材の需要は今後も高くあり続ける
政府が医薬分業を掲げたことにより、薬局やドラッグストアの数は増加しました。数年間だけでも新設の薬局は数千件にのぼっています。薬局は処方箋に対応するために必ず雇用しています。多くの患者さんが来局する薬局ならより人材が必要となってきます。
ただし、薬局や病院などの数に対しての薬剤師は長期的にみると過剰となるだろうと予想されています。しかし、資格をもっている人が全員働いているわけではありません。働き方改革により結婚や出産で転職や休職するケースも少なくありません。
勤務形態は豊富なのでパートやアルバイトと非正規雇用で稼ぐ選択肢もあります。ライフスタイルで働き方を選ぶので今後すぐに過剰になる心配はないでしょう。大手のドラッグストアや薬局は郊外へも積極的に新規参入を続けています。
人材確保はしばらく続くため、就職や転職市場もいまだ活発です。
AIは役に立つツールとなるかもしれません
実は薬の分野であってもAIのことについて考えないといけません。製造業ではジャンルを問わずAIがフルに活用されています。膨大なデータ処理や在庫管理など人ではミスが生じがちな業務に有用です。医療分野では手術の支援にも既に導入され始めています。
薬に関しても計算や薬歴管理などはAIが代わりに行う可能性もあります。一方で患者さんからの相談や服薬指導は対人スキルが求められるのでAIには不可能です。AIを導入することで事務系タスクを軽減できる効果があります。
単調になりがちなタスクをAIに任せ、コミュニケーションスキルに特化することになるでしょう。AIに仕事を取られるのではなく労働負担が減られるツールだと認識すればいいかもしれません。
地方と都市では需要に差があります
人口に対する薬剤師の数は都道府県で差が生じてきます。人数が多い上位のほとんどが政令指定都市のある都道府県の傾向にあります。反対に地方では人材不足である状態が現状となっています。地方での人材の需要は高いので高い待遇を提示してでも募集している企業は多いです。
人材不足の状態はまだまだ続く可能性が高いでしょう。今後は高齢者の増加により在宅医療のニーズも高まることが予想されます。薬局ではなく患者さんの自宅に直接訪問して薬を持参するのも当たり前になることが予想されます。
休日にショッピングモールや駅前でのイベントでも需要があります。健康や薬に関する相談室を開催するときにも活躍できるかもしれません。