何故人材が足りないと言われているのか
近年、医師や看護師の方が足りないと言われていますが、それと同じくらいに人材不足が叫ばれている専門職の一つに薬剤師があります。何故、この職業も人材が足りていないのでしょうか。今回はその原因に関して記載していきます。
薬学部の6年生移行による空白の2年間
平成18年に薬学部の修業年限が4年から6年間に移行になりました。それに伴い、空白の2年間が生まれてしまい、この2年間の間に薬学部を卒業した学生が0人という事態が発生してしまいました。
それに伴い、ただでさえ人材が足りていない薬剤師の数が更に足りなくなってしまいました。勿論、6年生に移行したのはより高度な教育を受けることを通して、専門職に必要となる知識を更に身に付けてもらうためという意図はありましたが、空白の2年間が与えた影響は非常に大きく、様々な場所で求人が募集されるようになりました。
また6年生移行に伴い学費も多く必要となってしまい、通えない家庭も現れるようになりました。
少子高齢化による子供の減少という影響も大きい
また日本は今まさに少子高齢化が社会です。そのため高齢者の数は増えていく一方で、子供の数が年々減り続けています。これは大学に進学する子供の数が減少していることを意味しており、つまりは進学する子供たちの中でも薬学部に入学する人の数も多くないことを意味しています。
そのため薬剤師という職業になるために必要な国家資格を受験し、合格する方の数もかつてと異なり減少しています。そのため必然的に人材が足りていません。この問題を根本的に解決するためには、少子化対策をしっかりと行う必要がありますが、未だに有効な少子化対策が行われていないため、人材が足りていない現状を打開出来ていません。
男性よりも女性が多い職場環境だからこそ
更に、この職業の場合男性よりも女性の方が多いです。そのため、結婚や出産などに伴い仕事を辞める方が多くいるため、人材の入れ替わりが他の職場以上に多い点も人材が足りていない原因となっています。
このように、この職業の方の人材が不足しているのには様々な理由があります。近年は正社員などと言った雇用形態以外にも、時間に融通の利くパートとして人材を募集している薬局等も多くありますが、それでもまだまだ人材が足りていません。
この問題を解決するためにも、資格を持っているのにも関わらず活用していない潜在的な力を活用する必要があります。そのためにも、政府には様々な対応を検討することが求められます。