規模によって時間は大きく異なります
接客を行う仕事であれば、お客さんがいる限り、時間が来たからと言って店を閉めることはできません。それは、薬の調剤を行う薬局においても例外ではなく、さまざまな要因が絡み合って残業につながっていくことになります。
薬を受け取る薬局だからこその宿命的なもの
調剤薬局の多くは医療機関のそばにあり、医療機関の診察時間に応じて開店時間を決めています。そのため、もっとも近くにある医院が7時まで診察をしているとなれば、そこから処方箋をもらって薬を受け取りに来る患者さんのことを考えると、7時30分まで開店しているということになるでしょう。
けれど、7時ギリギリに診察に飛び込んだ患者さんであれば、今度は薬局にも閉店ギリギリに飛び込んでくることになります。その結果、調剤が終わるのは8時前ということになって、必然的に残業時間へと突入していくことになります。
とはいえ、薬を扱う特殊な仕事でありながら、基本は接客業ということになりますので、患者さんが来た以上、残業しないわけにはいきません。
ギリギリの患者さんがいなくても残業のケース
ギリギリで飛び込んできた患者さんの対応をするために残業に突入してしまうというのは、毎日あることではありません。けれども、薬局によっては最低限の人数の薬剤師で調剤業務を回しているため、人手不足から残業が常態化しているところもあります。
こちらは人員を増やせば残業を回避できますが、人員を増やすということは雇用主側からすると人件費が余分にかかることになります。残業代と天秤にかけたところ、残業代の方が安くて済むということになれば、人手を増やすということはせず、残業で業務を回していってもらおうという考えになります。
働く側としては、残業代がちゃんと出るならという人もいれば、定時には上がりたいという人もいるでしょう。
勤務を始める前に確認しておこう
残業代が付くなら、別に残業になっても構わないという人であれば、どこの調剤薬局に勤めても残業時間についての不服を感じることはないでしょう。問題があるとしたら、残業代はつかなくてもいいから定時に上がりたいという人のほうです。
実際に仕事を始めてから、毎日ほぼ残業が当たり前になっていると気が付いても、なかなか定時に上がりたいとは言い出せないものです。そのため、勤務先を決める前に、残業のあるなしをしっかり確認しておくことが大事です。
稀に残業に入ってしまうという程度なら、これは調剤薬局勤務の宿命として受け入れるものの、仕事が回らなくて常に残業というような職場は避けて選ぶのが、不満を抱えない一番の対策方法です。