HIV感染症関連の資格を取得するメリット
ここ数年、日本国内のHIV感染症患者数が増え続けています。この状況を改善するためには、適切な治療を行わなければなりません。HIV感染症の治療では、薬物療法がもっとも重要な治療法となります。そこで、HIV感染症の薬物療法を安全に行うための資格として、HIV感染症薬物療法認定薬剤師が認定されました。
資格を取得するにはどうすればいいのか
難病として知られているHIV感染症に対処しなければならないため、薬剤師の資格を持っているだけではHIV感染症治療に携わることはできません。薬剤に対するすぐれた見識とともにHIV感染症への深い理解が必要です。
まず、日本病院薬剤師会等の会員であるとともに、5年以上の実務経験がなければなりません。その上で、日本医療薬学会、日本薬学会等の学会の会員となることが必要で、なおかつ認定機関による認定が必要です。また、病院や診療所に勤務していること、そしてHIV感染症患者への服薬支援やHIV感染症の薬物療法などに3年以上従事した実務経験が必要です。
3年以上の実務経験があったとしても十分とは言えません。関連の研修施設での16時間以上の実技研修など、10項目をすべてクリアする必要があります。
資格を取得しさらなる高みを目指す
HIV感染症薬物療法認定薬剤師を取得するには最低でも5年以上の実務経験が必要になります。さらに、HIV感染症関連の施設での研修や講習会を受けなければなりません。その上で、病院長か施設長等の推薦を受ける必要があるのですから、かなり取得するのが難しい資格といえます。
薬剤師の中でも特に専門性の高い資格であると言えます。HIV感染症の薬物療法では、ただ単に服薬支援をすれば良いわけではありません。それぞれの患者さんの食事や状況に合わせて薬を選ぶ必要があります。
これほど最新の知識が必要となる薬物療法はないのでしょう。資格を取得すれば、どこの病院や施設でもHIV感染症薬物療法の専門家として敬意を払われることは間違いありません。転職する際も、かなり有利に転職することができます。
確実にこれから必要となり資格です
HIV感染症薬物療法認定薬剤師は、これから確実に必要になるであろう資格です。先進諸国の中で、HIV感染症患者が増え続けているのは日本だけです。それは、専門家が少ないこととともに、感染予防のための啓蒙活動が不十分であることに起因しています。
すでに過去の病気であるとの思い込みから、人々は無関心になってしまっています。この状況を変えるには一人でも多くの専門家が必要になります。専門的な資格を取得することで、キャリアアップできるとともに、通常の業務では感じられないやり甲斐を感じることができることでしょう。
HIV感染症薬物療法を支援する人材も、啓蒙活動を行うための人材もまだまだ不足しています。もっと高みを目指したい、人の役に立ちたいをお考えの方は、チャレンジされてはいかがでしょうか。