薬剤師が足りていない理由を考える
なにかとお騒がせな団塊の世代、その世代が75歳を迎えると2025年問題が始まり、高齢者社会における暮らしが更に大変な時代に突入すると言われています。そんな時、病院の態勢と薬局の態勢が揃っているのか不安と言う声が聞こえて来ます。施設と人材確保は、大丈夫なのでしょうか。
医薬分業から働く場が増えたことも原因
好景気の環境から、人材が足りていないと言われています。その人材が足りていないことを表す数字として、求人倍率がありますが、全産業で考えるとその倍率は、1.37倍です。しかし薬剤師に限って言えば、なんと10.05倍と言う、とんでもない数字になっています。
数が間に合っている薬局は、家族経営でごく少人数で人材をやり繰りしている所と考えられます。また、医薬分業となった時点から急速に増えた調剤薬局の存在が、足りていない理由の一番ですが、その調剤薬局の数は減る傾向は全くみられず、逆増える傾向にあることから、更に人材不足が続くと予想されています。
競争が激しくなると供に、良い人材を求めることになり、働き甲斐のある職業として人気になり、募集がいつになっても絶えないで続くのでしょう。
ドラッグストアでは多くの人材が必要
また、人材不足に輪をかけているのが、ドラッグストアの進出です。この店舗では、働く人の数が多く必要になることから、大勢の募集が行われます。その理由には、店舗の休日がない上に、店舗の開いている時間が非常に長くなっていることです。
休日がないことや長時間店舗が開くことで、大勢の資格取得者が必要になってきます。また、これら店舗で働く人の多くは、パート希望者が多くと言うことから、短時間での交代が必要になります。正社員ですと一人で済む所を、数人もしくは4人も5人も確保しておく必要性が生まれます。
多くの人材を確保するためには、他店舗より有利な条件が出て来ます。その有利な条件には、時給の良さが入っていることになります。
都会では解消が進むが地方では問題が残る
薬剤師の人材不足解消は、都会で進みつつあります。また、都心の時間帯を考えると、9時から15時の範囲においても解消になりつつあります。15時を過ぎた時点で、帰宅を希望する人が増える傾向にあり、資格取得が足りなくなっています。
家庭の主婦が多いことが、その原因となっていると言われます。都会では、まだ夕方以降の問題を解消することで、なんとかなる風潮もみられますが、地方と言われる田舎へ行くと、完全に人がいない状態が続いています。そのため、都会の時給よりはるかに高い額での募集も行われるようになって来ています。
中には、時給5000円と言う超が付くような高額での募集もみられます。しかし、それでも人が集まらない所もあり、地方の人材確保が、急務となっています。