6年制の導入と合格基準の移り変わり
薬学部の6年制の導入などに併せて、薬剤師の資格取得のための試験の内容も様変わりをしています。どのように対策をとっていけばいいのか、ここでは国家試験の合格率の基準や勉強法などに関して詳しく紹介しています。
中位層以上を目指してキープする
6年制の導入により改定された薬剤師の資格取得のための国家試験では、過去問は基本的に出題されず、出題数の増加と345問中3分の1程度が実務の点数配分となっています。さらに答えを二つ選ぶ形式の問題も出題されています。
つまり、暗記に頼る、過去問を解く、あるいはヤマをはるようなことでは太刀打ちできず読解力と思考力を日ごろから養っておくことが重要です。また、受験数が増えているのに対して、合格者数はさほど増えていません。
合格率は63パーセントをひとつの基準として、常日頃から、中位層以上のレベルに位置しておくことが大事です。コツコツと積み上げていくことが重要になってきます。
相対評価制の導入で合格基準に変化
合格基準として相対評価が導入されたことにより、従来は得点率が絶対基準となっていましたが、平均点と標準偏差値を用いた相対評価により合格基準が設定されています。科目ごとの必要最低点は緩和されていますが、相対評価が加わったことにより合格点勝負に絞られるというのが実情です。
合格者数は相対評価次第といえますが、受験者数は年々増加傾向にあるため、合格のための倍率が高くなる可能性が高いです。そして、2015年度の入学生から導入された新カリキュラムに沿って、2020年度から出題基準は大きく変わる予定となっています。
医師の国家資格では既に導入されている禁忌肢の導入の検討がされています。
1年ずつできることを積み上げていく
薬剤師は患者の命を守るという意味でも間違いが許されない職業です。そのため、絶対に間違えてはいけない問題を取り入れる必要があります。ですから、この禁忌肢で所定以上のミスをした場合、どんなに高得点であったとしても不合格になるように導入が検討されています。
つまりより実践的な知恵やスキルを厳しく問い一定の難易度を保持した出題がされるというわけです。そのため、薬学部がいくら6年制になったからといって、最後の1年で詰め込んでしまえば大丈夫ということはありません。
逆に難しくなったからといって躊躇する必要もないわけです。1年、1年、しっかり学んでいくことで新しい国家試験の傾向にも対応できるようになります。